配当方針・配当政策はどれがいい?見方と種類や増配の信頼度

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配当を出している企業には配当方針や配当政策というものがあります。

配当方針・配当政策は企業によって様々なパターンがあり、その中でもいくつかの種類に分類され、かつ増配に対する姿勢の信頼度の高さが変わってきます。

この記事では、配当方針・配当政策の種類や見方、信頼度についてシェアしようと思います。

この記事で分かること

・配当方針・配当政策の見方

・配当方針・配当政策の種類と信頼度

この記事を書いた人

たまご

  • セミリタイア済
  • 2級FP技能士
  • AFP認定者
  • 資産形成コンサルタント
  • 投資診断士

目次

配当方針・配当政策の見方

企業には配当に対するコミットメントがIR情報や適時開示情報に記載されています。

例えばNTTの配当方針は

株主還元の充実は、当社にとって最も重要な経営課題の1つであり、継続的な増配および機動的な自己株式取得の実施を基本的な考え方としております。
長期保有の株主の皆さまの資産形成にあたっても、魅力のある株式として引き続き選んでいただけるよう、今後も企業価値を高めるとともに株主還元の充実を図ってまいります。

NTT

この様になっており【継続的な増配】と掲げています。

また、積水ハウスの配当方針は

当社は株主価値の最大化を経営における重要課題の一つと認識しており、持続的な事業成長による1株当たり利益の成長を図ることはもとより、各年度における利益又はキャッシュ・フローの状況や将来の事業展開等を総合的に勘案し、成長投資の推進と株主還元の充実を図ってまいります。中期的な平均配当性向を40%以上とする従来の配当方針を継続し、利益成長による増配を目指すとともに、第7次中期経営計画期間の1株当たり年間配当金の下限を2025年度の配当実績(144円)を上回る145円とするとともに、機動的な自己株式取得の実施により株主価値向上を図ります。

積水ハウス

このようになっており【配当性向40%】【配当金の下限値145円】などより具体的な数値が掲げてあります。

配当方針は将来にわたって約束される義務ではないので経営判断により変更される可能性がありますが、企業の配当に対する姿勢を量る重要な要素となっています。

配当方針・配当政策の種類と増配の信頼度

配当方針・配当政策の種類は大きく分けると5つに分類されます。

それを増配の姿勢に対する信頼度が高い順に並べると次のようになります。

  • 累進配当
  • DOE
  • 下限値設定
  • 安定配当・増配+配当性向
  • 安定配当・増配もしくは配当性向のみ

累進配当

累進配当とは原則として増配または配当の維持を目指すこととし減配は行わないことを指します。

累進配当を長期にわたり継続してきた企業は市場から高く評価されやすく、安定したパフォーマンスを示します。

下記は累進配当を掲げるINPEXの配当方針です。

当社は、2025年2月公表の「2025-2027 中期経営計画」でお示しした株主還元方針において、2025年度から2027年度の中期経営計画期間中は、1株当たり年間90円を起点とする累進配当による安定的な還元に加え、事業環境や財務・経営状況を踏まえつつ機動的な自己株式取得も行うことで総還元性向50%以上を目指し、業績の成長にあわせて株主還元を強化していくことを基本方針としております。

INPEX

DOE

DOEは株主資本配当率と呼ばれ、株主資本に対して配当を何%出すかを指します。

DOEは次のように求めることができます。

DOE=(年間配当総額÷株主資本)×100

DOEを配当の基準とした場合、単年度の利益変動に左右されにくく配当を生みやすいというメリットがあります。

理由としては、株主資本はこれまで蓄積された資本の厚みであり企業の体力でもあり、仮に減益になったとしても株主資本が厚ければ内部留保の活用によって必ずしも減配する必要性が生じないからです。

下記はDOEを掲げるエスフーズの配当方針です。

安定配当の継続、今後のグループ経営の事業基盤強化に向けた内部留保の積極活用等 の観点から、連結業績を勘案の上、連結の株主資本配当(DOE)3%を目処に、安定的な 利益還元を実施したいと考えております。

エスフーズ

下限値設定

配当の下限値が設定されておりそれより低い配当額にはならないことを示しますが、注目したい点は下限値がいくらに設定されているかです。

前年度の配当額が下限値に設定されている場合は実質増配・据え置きのどちらかしかありませんが、前年度より前の金額に設定されている場合は減配の可能性があると捉えることができます。

下限値が設定されている企業は下限値がいつの水準のものか確認する必要があります。

下記は下限配当を掲げる積水ハウスの配当方針です。

当社は株主価値の最大化を経営における重要課題の一つと認識しており、持続的な事業成長による1株当たり利益の成長を図ることはもとより、各年度における利益又はキャッシュ・フローの状況や将来の事業展開等を総合的に勘案し、成長投資の推進と株主還元の充実を図ってまいります。中期的な平均配当性向を40%以上とする従来の配当方針を継続し、利益成長による増配を目指すとともに、第7次中期経営計画期間の1株当たり年間配当金の下限を2025年度の配当実績(144円)を上回る145円とするとともに、機動的な自己株式取得の実施により株主価値向上を図ります。

積水ハウス

安定配当・増配+配当性向

安定配当・増配を掲げており、かつ配当性向の目安が掲げられているパターンで一番オーソドックスになります。

配当性向は次のように求めることができます。

配当性向=(1株あたり配当額÷1株あたり当期純利益)×100

DOEと違い単年度の利益変動が大きければ配当性向も大きく変動するので、配当方針の配当性向より大きく乖離する可能性もあります。

例えば配当方針で30%目安を掲げており来期の配当性向が50%見込みであった場合、配当方針と大きく乖離していますが増配・据え置き・減配なのかは企業判断に委ねられ大きく乖離したからといって必ずしも増配しないとは限りません。

下記は安定・増配+配当性向を掲げるオリエンタルコンサルタンツHDの配当方針です。

当社グループは、株主に対する長期的に安定した利益還元を経営の重要課題の一つとして認 識しております。あわせて、過去の連結業績の推移、今後の連結業績の見通し、配当性向・配 当利回り・自己資本比率等の指標などを総合的に勘案して配当を決定することを基本方針とし ております。配当性向につきましては、40%程度を目安といたします。

オリエンタルコンサルタンツHD

安定配当・増配もしくは配当性向のみ

安定配当・増配もしくは配当性向のみのケースです。

安定・増配を掲げているものの具体的な指標の目安がなかったり、配当性向の目安は掲げているものの安定・増配などのワードがないものがこれにあたります。

下記は安定・増配を掲げるNTTの配当方針です。

株主還元の充実は、当社にとって最も重要な経営課題の1つであり、継続的な増配および機動的な自己株式取得の実施を基本的な考え方としております。
長期保有の株主の皆さまの資産形成にあたっても、魅力のある株式として引き続き選んでいただけるよう、今後も企業価値を高めるとともに株主還元の充実を図ってまいります。

NTT

下記は配当性向のみを掲げるサカイ引越センターの配当方針です。

中計期間においては、「成長に向けての土台作り期間」として時限的に 予想利益に対して配当性向55%を予定。

サカイ引越センター

まとめ

  • 配当方針・配当政策は大きく分けて5つに分類される
  • 増配の信頼度は累進配当>DOE>下限値設定>安定配当・増配+配当性向>安定配当・増配もしくは配当性向のみ

配当方針の信頼度の高さについて解説してきましたが、全ての信頼度において共通して言えることは配当方針だけでは安心できない点です。

累進配当を掲げていても減配する企業もありますし、安定配当・増配もしくは配当性向のみでも増配を長期にわたり継続している企業もあります。

掲げている配当方針に対して企業の現状をしっかり確認することが最重要と言えます。

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