配当金でFIREを目指す場合に見落としがちなのがインフレ考慮。
インフレに応じて配当金も増えていかなければ生活費が破綻します。
そんなインフレに対しての考え方やインフレリスクを考慮したポートフォリオの作り方についてシェアしようと思います。
・インフレ考慮の重要性
・配当金をインフレに合わせて増やす方法
・インフレに負けない高配当ポートフォリオの作り方

たまご
- セミリタイア達成済
- 2級FP技能士
- AFP認定者
- 資産形成コンサルタント
- 投資診断士
配当金でFIREはインフレ対策が必須
いわゆる4%ルールではリタイア時の資産4%の取崩しを基準に、以降はインフレ率に合わせて取崩し額を変動させます。
年間支出:240万円
リタイア時の資産額:6,000万円
インフレ率:3%
2年目の取崩し額:240万円×3%=247.2万円
3年目の取崩し額:247.2万円×3%=254.6万円
インフレによる取崩し額増加前提で30年資産が尽きないという研究結果なので4%ルールで取崩す場合はいいのですが、配当金でFIREを目指すには注意が必要です。
一見、資産の取崩しを行う必要がなく配当金も固定なので目に見えやすく実行しやすいように見えますが、インフレによる支出増加を考慮しないと生活費が足りなくなります。
たまごFIRE後は配当金の再投資もできなくなるよね!
インフレによる年間支出の推移
日本は2025年10月時点でインフレ率が3%に達しました。

日銀の見通しでは2026年~2027年は1%後半から2%に落ち着く見込みとされています。
間をとってインフレ率を2.5%とし年間支出240万円の場合

30年後の年間支出は491万円まで膨れ上がります。
つまり、年間支出240万円の人がやっとの思いで6,000万円の資産を利回り4%で年間240万円の配当金を得たところでインフレに耐えることは不可能だということです。
配当金でFIREするために必要なこと
以上の事から、配当金でFIREするにはインフレに連動して配当額を増やしていく必要があります。
そんな時の強い味方が連続増配株です。
企業が毎年増配してくれるので何もせず勝手に配当額が増えていきます。
もちろん、減配や無配リスクがあることは念頭に置いておかなければなりません。
実際、私も連続増配13年の保有銘柄が実質ほぼ無配まで減配された経験があります。

配当金でFIREするためのポートフォリオの作り方
配当金でFIREするには次の条件を満たした銘柄でポートフォリオを構築する必要があります。
- 目標利回りを満たしている
- 連続増配株
- CAGR5(過去5年の配当平均成長率)がインフレ率を上回る
私は検索条件に連続増配が設定できるマネックス証券でスクリーニングしています。
銘柄スカウターでスクリーニング条件を入力
ここでは下記条件でスクリーニングを行います。
目標利回りは4%ととし、この段階で目標利回りと連続増配はクリアです。

スクリーニングを行うと下記の銘柄がリストアップされます。

この中で、例えば一番下の誰もが聞いたことがあるであろう積水ハウスを見てみます。
CAGR5(過去5年の配当平均成長率)を計算する

CAGR5(過去5年の配当平均成長率)は(最新配当額÷5年前の配当額)1/5乗-1で求めます。
まず、2022年の配当額90円と2026年の配当額144円を使います。
144円÷90円=1.6
1.6の1/5乗を求める
求め方はスマホの関数電卓で1.6を入力しXYボタンを押して0.2(1÷5)を入力すると1.0985
1.0985-1=0.0985=9.85%
この9.85%がCAGR(過去5年の配当平均成長率)となりインフレ率の2.5%を上回っているので
・目標利回り
・連続増配
・CAGR(過去5年の配当平均成長率)がインフレ率を上回る
すべての条件を満たしている銘柄ということになります。
この様な手順で銘柄をリストアップしていきポートフォリオを作っていきます。
| 期間 | 配当平均成長率 |
|---|---|
| 10年で2倍 | 約7.2% |
| 10年で1.5倍 | 約4.1% |
| 10年で1.3倍 | 約2.7% |
| 5年で2倍 | 約14% |
| 5年で1.5倍 | 約8.4% |
| 5年で1.3倍 | 約5.4% |
計算が面倒な人には簡易早見表を用意しました。
自分で計算しなくても、投資アプリなどで配当平均成長率が表示されているものもあるかもしれませんね。
まとめ
- 配当金FIREはインフレ対策が必須
- 連続増配株でインフレに対抗していく必要がある
- 連続増配かつCAGR5(過去5年の配当平均成長率)がインフレ率を上回っている銘柄でポートフォリオを構築する
インデックス投資と違い手間がかかりますが配当金は魅力ですよね。
資産形成期は入金力で配当を額を増やすことに注力しがちですがインフレ考慮は避けて通れません。
増配を継続的に続けていく企業を選定するうえでスクリーニングは重要になります。
マネックス証券をまだ開設していない方は検討してみてはどうでしょうか。


コメント