保険会社は、契約者が支払った保険金を基に運用を行い保険金を支払っています。
それならば、自分で資産運用したらどうなるのかという視点でシミュレーションを行いました。
この記事では、教育資金作りを学資保険と投資で行った場合のシミュレーションについてFPが詳しく解説します。
・学資保険の保険料とリターン
・投資信託の積立額とリターン
・投資信託で元本割れをカバーできるか
・投資信託で保険機能をカバーできるか
・学資保険を選んだ方がいい人
・投資信託を選んだ方がいい人

たまご
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
- AFP(アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー)認定者
- 資産形成コンサルタント
- 投資診断士
学資保険と投資信託の特徴の比較
学資保険の返戻率を105%とし、投資信託は新NISAでオルカンやS&P500などのインデックス投資をするものとし平均リターンは年5%とします。
学資保険 | 新NISAインデックス投資 | |
---|---|---|
元本保証 | ||
期待リターン | 返戻率105% | 年利平均5% |
流動性 | 引き出せない | いつでも換金可能 |
保険機能 | ||
節税メリット | 生命保険料控除 | 運用益非課税 |
受取時の税金 | 利益50万越で発生 | 非課税 |
学資保険の総払込保険料とリターン
まず生命保険料控除の節税額を算出します。
生命保険料控除
・年収400万円
・保険料払込期間18年
・満期保険金300万
・返戻率105%
・所得税、住民税10%
節税シミュレーション | |
---|---|
毎月の保険料 | 13,228円 |
年間保険料 | 158,736円 |
年間節税額 | 6,800円 |
総節税額 | 122,400円 |
総払込保険料とリターン
次に節税額を加味した総払込保険料とリターンです。
・保険料払込期間18年
・満期保険金300万
・返戻率105%
生命保険料控除の節税を加味した保険料 | |
---|---|
実質月額保険料 | 12,661円 |
実質総払込保険料 | 2,734,848円 |
得られる金額 | 300万円 |
トータルリターン | 109.7% |
生命保険料控除の節税額を元本に回すと仮定すると、トータルの実質総払込保険料2,734,848円に対し300万円のリターンを得られる計算となります。
リターンも節税効果で4.7%上昇しています。
新NISAインデックス投資の積立額とリターン
・18年間の積立期間
・評価額300万円
・年利5%の投資信託で運用
新NISAインデックス投資 | |
---|---|
月額積立額 | 8,689円 |
元本(総積立額) | 1,876,824円 |
得られる金額 | 3,011,986万円 |
トータルリターン | 160.5% |

新NISAインデックス投資の場合は、複利が効きますので少ない積立額で300万円以上の金額を得られることになります。
コスパ重視であれば、新NISAインデックス投資の方が良さそうです。
学資保険と投資信託の比較結果
学資保険 | 新NISAインデックス投資 | 投資信託との差異 | |
---|---|---|---|
月額積立額 | 12,661円 | 8,689円 | 3,922円 |
元本 | 2,734,848円 | 1,876,824円 | 858,024円 |
得られる金額 | 3,000,000円 | 3,011,986万円 | ▲11,986円 |
トータルリターン | 109.7% | 160.5% | ▲50.8% |
元本保証 | 学資保険 | ||
流動性 | 引き出せない | いつでも換金可能 | 互角 |
保険機能 | 学資保険 | ||
節税メリット | 生命保険料控除 | 運用益非課税 | 互角 |
受取時の税金 | 50万円以内なので 非課税 | 非課税 | 互角 |
数値としては新NISAインデックス投資の圧勝ですが、元本保証と保険機能の部分にまだ課題が残ります。
一方、学資保険の流動性に関しては教育資金の捻出が目的なので一概にデメリットとは言えないと判断します。
元本保証を新NISAインデックス投資でカバーする
元本保証に関しては、投資を行なううえでは完璧にカバーできません。
平均年利5%で運用したとしても、毎年綺麗に5%のリターンを叩き出しているわけではありません。
去年がー10%で今年が15%でも平均年利5%です。
タイミング悪く18年目が-10%であれば300万円に届いていない可能性もあります。
しかし、これに関しては根本的な解決はできませんがある程度の対策は可能です。
・積立期間18年
・安全マージンを30%に設定
・目標額を30%増の390万円に設定
・18年後に300万円を換金できる状態を作る
・年利5%の投資信託で運用
新NISAインデックス投資 | |
---|---|
月額積立額 | 11,296円 |
元本(総積立額) | 2,439,936円 |
得られる金額 | 3,915,734円 |
トータルリターン | 160.5% |

18年後に300万円を換金できる状態を作るという目標にすることによって、目標額を引き上げ30%程の下落を受けても18年後には300万円を換金できるようになりました。
これでも学資保険の月額保険料より安く済んでいます。
しかし、あくまで元本保証を確立するものではなく、より確実に300万円を18年後に換金できる策です。
確実な元本保証を望む方は、学資保険を選んだ方が良さそうです。
学資保険の保険機能を新NISAインデックス投資でカバーする
学資保険は万が一のことがあっても満期保険金の支払は約束されていますが、インデックス投資の場合、万が一のことがあればその場で積立はストップし複利だけの運用となり目標期間に対して目標額の達成が難しくなります。
そこの部分をどうにかカバーできないものか考えてみました。
・万が一がいつ起こるのか分からない
・いつ起こったとしても18年後に300万円が出来上がっていなければならない
こうなってくると、少し投資方法自体を考えなければなりません。
・18年で300万円の資産を作る
・年利5%の運用と仮定
新NISAインデックス一括投資 | |
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初期投資額 | 1,250,000円 |
得られる金額 | 3,008,107円 |
トータルリターン | 240.7% |

125万円を一括投資し、以降積立てることなく18年間放置することで複利運用のみで可能となりました。
1年目で万が一が起きても、学資保険と同様18年後に300万が受け取れる可能性があります。
学資保険やインデックス投資の毎月積立とは手法が変わりますが、これであれば学資保険の保険機能と肩を並べることができます。
学資保険を選んだ方がいい人
学資保険と投資信託で教育資金を捻出する場合どちらがいいかは、元本保証と保険機能によって決まると言えます。
- 投資未経験者
- 確実な元本保証を望む
- 確実な保険機能を望む
投資信託を選んだ方がいい人
- 効率よく資金を捻出したい
- 投資経験者で元本割れリスクに理解がある
- 保険機能は望まないor一括投資で解決する
NISA口座を開設する場合、NISAは国の制度なので証券会社による差はありません。
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まとめ
この記事では、教育資金作りを学資保険と投資で行った場合のシミュレーションについて説明してきました。
- 税金、節税、流動性に関しては互角
- コスパ面では投資信託が有利
- 投資信託は保険機能は投資の工夫で可能だが元本保証は無理
- 学資保険はコスパは悪いが元本保証と保険機能が最大の強み
子供の為の教育資金。
自分にどちらが合っているかよく考えたうえで、お子さんの将来の為に資金を形成していきましょう。