厚生労働省の調査によると共働き世帯が2000年頃を起点に大幅に増加しています。

この状況下で労働と育児の両立は極めて大変であり、国を挙げて共働き世帯の子育てを助ける様々な制度が昨今でも設立されています。
しかし、名前が似ていたり違いがよく分からなかったりする制度が非常に多いのも事実です。
この記事では、制度の1つである出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)についてFPが分かりやすく解説します。
・出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)とは?
・出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)の対象者
・出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)の支給額
・出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)の支給条件
・出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)の申請方法
・出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)はいつ支給される?

たまご
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出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)とは?
出生直後の育児の為の育休制度です。
子共の出生日または出産予定日のうち早い方から8週間を経過する翌日までの間に、最大4週間(28日)育児休業を取ることができその間の休業に対して給付金が支給されます。
最大2回までに分けて取得することができます。
出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)の対象者
制度の名前の通りパパに特化した育児休暇の制度なので、ママは対象外となります。
出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)はいくらもらえる?
出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)は非課税となります。
休業開始前の賃金日額の算出方法 | |
---|---|
対象期間 | 休業開始前の直近6か月間 |
対象となる賃金 | 総支給額 |
対象外の賃金 | 賞与 |
計算方法 | 対象となる賃金÷180 |
また、休業開始時賃金日額には上限額が設定されており16,110円、支給額は302,223円となっています。(令和8年7月31日まで)
月収にして約483,300円を越えると支給額が一定となります。
育休中に賃金が支払われる場合は、支払われた賃金の額が休業開始前の賃金日額×休業期間の日数の割合に応じて減額されていきます。
支払われた賃金の額 | 支給額 |
---|---|
13%以下 | 休業開始前の賃金日額×休業期間の日数× 67% |
13%越~80%未満 | 休業開始前の賃金日額×休業期間の日数×80%ー賃金額 |
80%以上 | 支給停止 |
また、出生後休業支援給付金と併用することで支給額を80%、非課税を考慮すると手取り額の100%まで底上げすることができます。
出生後休業支援給付金については、こちらの記事で詳しく説明しています。

出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)の支給条件
支給条件は次の全てを満たす必要があります。
- 子供の出生後8週間以内に、最大4週間(28日)以内の休業を最大2回以内に分けて育児休業を取得した雇用保険被保険者
- 休業開始前の2年間に通算して12か月以上の雇用保険被保険者期間を有す
- 休業期間中の就業日数が10日以下、10日を超える場合は就業した時間数が80時間以下
- 期間契約雇用の場合、本制度取得後から6か月以内に契約期間満了が明らかでない
出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)の申請方法
給付金申請は、被保険者を雇用する事業主を通し手続きする必要があります。(希望があれば本人申請も可)
子供の出生日から8週間を経過する日の翌日から申請可能で、申請可能日から2か月を経過する日の月の月末までに申請を済ませておく必要があります。

取得後は速やかに会社に申請してもらおう!
出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)はいつ支給される?
支給決定後約1週間で、届け出た本人の金融機関の口座に振り込まれます。
迅速に申請手続きを行なえば、休業該当日の給与支給日には間に合うのではないでしょうか。
雇用保険なのでハローワーク主体となります。
私の経験では、失業給付金や教育訓練給付金なども申請後の振込対応が早い印象です。
まとめ
この記事では、出生時育児休業給付金(産後パパ育休制度)について説明してきました。
- 子供の出生後8週間以内に2回までに分け、最大4週間(28日)の育児休業に対して給付金が支給。
- 対象はパパのみ
- 支給額は休業開始前の賃金日額×休業期間の日数× 67%
- 支給額には上限や減額のケースもある
- 支給条件は4つすべてを満たす必要がある
- 申請は制度取得後2か月後の月末までに会社に手続きしてもらう
- 支給決定後約1週間で指定した口座に振り込まれる
出生後のママは心身共に疲弊しています。
そんな時こそパパの出番です。
制度を上手く活用し、ママを助けてあげましょう。

