数ある投資信託の中で商品をどのように選ぶべきでしょうか?
ランキング上位の商品をとりあえず買っておけば間違いない?
俗に言うオルカンやS&P500など良く耳にする商品を買っておけば間違いない?
この記事では、そんな投資信託の選び方を自身も投資で資産形成をしており、資産形成コンサルタント・投資診断士の資格を併せ持つFPが詳しく解説します。
・リスク許容度について
・投資信託を選ぶ5つのポイント
・リスクを見える化する方法

たまご
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
- AFP(アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー)認定者
- 資産形成コンサルタント
- 投資診断士
最も大事なことは自分のリスク許容度にあった商品を選ぶこと
冒頭で話した様に、ランキングの上位やよく耳にする商品に投資しておけば大きく資産を減らすことは少ないでしょう。
しかしそれらの商品は本当にあなたのリスク許容度に合った商品なのでしょうか?
リスク許容度
投資家が資産運用を行う際に許容できる損失リスクの程度のこと。
投資を行う上で最低限のリスクを取らねばリターンはついてきません。
リスクとリターンは比例しますので、自分に合ったリターンとリスク設定が重要となります。
目標のリターンが高ければリスクも高い商品を選ぶ必要がありますし、リスクをあまりとれないのであればリスク許容度内の商品を選ばなければなりません。
投資信託の選び方でアメリカの成長にかけるならS&P500、世界に分散投資するならオルカン、といった様に投資対象や手数料、利回りで勧めている方をよく見かけます。
これらも投資をする上で重要な要素ですが、それらは自分のリスク許容度に合った上での話です。
投資信託を選ぶ際の5つのポイント
ここでは投資信託を選ぶ際にチェックしたい5つのポイントを紹介します。
分かりやすくここでは
【三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)】
【三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)】
とを比較しながら説明します。
ちなみに投資信託という言葉は日本特有の言い方であり一般的にはファンドと言います。

投資対象
投資対象は投資信託の名前や概要に記載されています。
自分が何に投資をしようとしているのか確認してください。
投資対象 | |
---|---|
三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 国際株式・グローバル・含む日本 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 国際株式・北米 |
目論見書に具体的に投資信託の目指しているベンチマークや、全世界株式で言えばどこの国にどの割合で投資しているかなど商品の詳しい説明が記載されています。
投資対象はパフォーマンスで選ぶのもいいですし、自分が成長性を感じるものに投資しましょう。
ちなみに、全体的なパフォーマンスは米国株式の方が優れていますが、分散の面では全世界株式が優れていると言えます。
どちらが良いかは人によって変わってくるものであり、何を重視するかで決めましょう。
信託報酬
投資信託の運用・管理費用のこと。毎日差し引かれて評価額に反映されているので直接支払うことはない。
信託報酬は投資信託により違い、同じ投資対象の商品でも投資信託が違えば信託報酬が変わります。
同じ投資対象の中で信託報酬が1番安いファンドを選べば間違いありません。
投資対象が特殊な部類になると信託報酬は高く設定される傾向があり、0.5%を超えると一般的に信託報酬が高い部類となります。
信託報酬 | |
---|---|
三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 0.05775%以内 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 0.08140%以内 |

両方0.1%を切っているので非常に信託報酬が安いね!
投資信託の純資産額
投資信託の純資産額は投資家たちが預けているお金と、それを運用して得た利益の合計額になります。
純資産額が大きいということは、多くの投資家が信頼してお金を預けており運用がうまくいっているということを意味します。
純資産額 | |
---|---|
三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 6,203,442百万円 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 7,249,285百万円 |
投資信託の純資産額を見て投資するの辞めた、というケースはなかなか無いとは思いますが信頼度としてチェックすべきポイントです。



有名なところは十分な純資産額になっているよ!
トータルリターン
トータルリターンは投資信託の成績表の様なものです。
ここを見て投資信託を選ぶ人も多いのではないでしょうか。
トータルリターン3年平均 | |
---|---|
三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 16.63% |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 18.31% |
3年平均のトータルリターンが上記の数値ですので、3年前に100万円投資していたとすると100万円が下記の金額になっていたということになります。
評価額 | |
---|---|
三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 1,166,300円 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 1,183,100円 |



リターンが高いに越したことはないけどその分必ず同等のリスクが付いてくるから注意だよ!
標準偏差
さて、これまで4つのポイントを見てきてある程度どちらの投資信託がいいいか決まりつつあるんじゃないでしょうか?
最後のポイントが許容できれば投資対象として選択してもよいと言えるでしょう。
平均に対する数値のばらつき具合のことでリスクのこと。
標準偏差はまともに説明すると理解が難しいので、ここでは簡単に誰でも分かりやすいように上記の様に解釈し説明します。
リスクについては5段階評価などで表示されていますが、実際にどの位のリスクがあるのかピンとこない人も多いのではないでしょうか?
標準偏差を活用することでリスクの見える化ができリスク度合いが分かりやすくなります。
標準偏差3年平均 | |
---|---|
三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 14.05% |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 16.69% |
3年平均の標準偏差が上記の数値ですので3年前に100万円投資していたとすると
評価額のばらつき | |
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三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 859,500円~1,140,500円 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 833,100円~1,166,900円 |
投資した100万円がこの範囲内で値動きする投資信託だということが分かります。
投資した大事な100万円が83万円に減るリスクが自身の許容範囲内かということが非常に重要になります。



全世界株式なら標準偏差14.05%なので100万円に±140,500円したら求められるよ!
ちなみに、ここに先程のトータルリターン3年平均を加味すると
トータルリターンを加味した評価額のばらつき | |
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三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式 | 1,025,800円~13,06,800円 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式 | 1,016,200円~1,350,000円 |
3年間この様な範囲内で値動きしていた投資信託だということが分かります。
このことから、三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式に投資しようと思っていたがリスクの許容度から三菱UFJ-eMAXIS Slim全世界株式の方が自分に合っているとなる人も出てくるわけです。
逆に、もっとリスクを取れるからと他のファンドを選択する人も居るかもしれません。
ここで自分のリスク許容度に合わなければ、他の投資信託を選択をするべきです。
結果的にどちらも元本割れは起こさず含み益になっていますが、これはあくまで結果論でありこれからの成績を保証するものではありません。
どうしても上振れた数字に目が行ってしまいがちですが投資信託のリスクを理解することが重要です。



全世界株式なら評価額のばらつきにトータルリターンの額166,300円をプラスしたら求められるよ!
もう1つ例に挙げてみましょう。
トータルリターンの高さが話題となりランキング上位に入る【大和-iFree NEXT FANG+インデックス】
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
大和-iFree NEXT FANG+インデックス | |
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トータルリターン3年平均 | 42.94% |
100万円の3年後の評価額 | 1,429,400円 |
標準偏差3年平均 | 27.45% |
100万円の3年後の評価額のばらつき | 725,500円~1,274,500円 |
トータルリターンを加味した評価額のばらつき | 1,154,900円~1,703,900円 |
トータルリターンも驚愕ですが資産が1/4程減るリスクを持ち合わせていることが分かります。



人間どうしても値が上がったいい時の方に目がいっちゃうね…
たまごの保有する投資信託
はじめに断っておきますがこの投資信託や構成を勧めているのではなく、私のリスク許容度の話だということをご理解お願いします。


当初はS&P500とNASDAQを7:3で投資していましたが2年目から1:1に変更しました。
変更した理由は過去来からQQQ(NASDAQ100のETF)も保有しておりNASDAQのリターンの優秀さは熟知しており、もっとリスクを取っていいのでリターンが欲しかったからです。
もっと言えばS&P500のリターンでは物足りないからNASDAQをトッピングしています。
これが私のリスク許容度となります。
結局、1:1に変えた今年に入ってNASDAQは暴落したのですがね…
この様に投資信託をトッピングしてもいいですし、比率を変えてもいいですし自分のリスク許容度と好みに合わせて色々なメニューを構築できるのも投資の醍醐味の1つです。
ぜひ皆さん好みの投資信託メニューが見つかるといいですね。
まとめ
この記事では投資信託の選び方について解説してきました。
- 最も重要なのはリスク許容度が合っているか
- 投資対象を明確に
- 信託報酬は安いものを
- 投資信託の純資産額は信頼の大きさ
- トータルリターンは成績表
- 標準偏差でリスクを計る
投資は目標(どの位のリターンでどの位の期間でどの位の金額に)に合わせた商品選びが重要になります。
高い目標に対してリスクの小さい商品で運用してもなかなか結果がついてこないでしょう。
ある程度のリスクを負わなければリターンも得られませんがリスクの許容度は人それぞれです。
自分に合った商品を選びましょう。

