ドラッグストアなどで売っている市販薬で所得控除できる制度をご存じでしょうか?
2026年度からのOTC類似薬の保険適用外のニュースが話題となっており、よりいっそうセルフメディケーション税制を利用する人が増えるかもしれません。
これを機に制度の内容をしっかり把握しましょう。
この記事ではセルフメディケーション税制についてFPが詳しく解説します。

たまご
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
- AFP(アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー)認定者
- 資産形成コンサルタント
- 投資診断士
スイッチOTC薬とOTC類似薬の違い
同じ様な名前でスイッチOTC薬と、OTC類似薬というものがあります。
医師の処方でのみ提供が認められていた薬のうち、ドラッグストアなどでも販売が認可された一般医薬品のこと。
スイッチOTC薬を買った方が安く手軽に購入できますが、飲み合わせの問題や診察もして欲しいなどの理由で病院でOTC類似薬を処方されている方も多いのが現状です。

今後は診察が不要な人はドラッグストアでOTC薬買う人が増えそうだね…
セルフメディケーション税制
税制 | セルフメディケーション控除 |
---|---|
税の優遇 | 2026年12月31日購入分まで所得控除 |
対象 | スイッチOTC薬 |
控除額 | 12,000円を超えた部分(上限88,000円) |
対象範囲 | 本人及び扶養家族 |
扶養家族であれば家族全員のスイッチOTC薬代が対象となります。



12,000円を超えた金額に対して控除されるんだね!
セルフメディケーション税制対象の薬
症状・用途 | 製品名 |
---|---|
解熱・頭痛 | ロキソニンS |
胃腸薬 | ガスター10 |
鼻炎・花粉症 | コンタック鼻炎Z |
風邪薬 | パブロンSゴールドW |
皮膚薬 | メンソレータムAD |
目薬 | ロートアルガード |
対象製品の詳細は厚生労働省HP セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)についてを参照下さい。



これらは代表例で他にも沢山あるよ!
セルフメディケーション税制対象品の見分け方
主に識別マークと購入レシートで見分けることができます。
識別マーク
識別マークが製品パッケージに掲載されています。


国税庁HP セルフメディケーション税制とはより引用
レシート表示
レシートに控除対象であることが記載されています。


国税庁HP セルフメディケーション税制とはより引用
セルフメディケーション税制利用時の注意点
セルフメディケーション税制を利用するにあたり注意点がいくつかあります。
- 医療控除とは併用不可
- 確定申告が必要
医療控除とは併用不可
医療費控除も所得控除できる制度ですが併用できません。
医療費控除は医療費全般に対して10万円を超えた部分に対して上限200万円まで控除されますので、状況に応じてどちらを選ぶべきか判断する必要があります。
確定申告が必要
セルフメディケーション控除を受けるには確定申告が必要です。
レシートは確定申告の際に提出は不要ですが、税務署から提示を求められた際に提示できるよう5年間の保存義務があります。
大切に残しておきましょう。
申告の手順等は国税庁HP セルフメディケーション税制とはを参照ください。
まとめ
この記事ではセルフメディケーション税制について説明してきました。
- スイッチOTC薬はドラッグストアで買える市販薬
- OTC類似薬は医師から処方される市販薬
- セルフメディケーション税制はスイッチOTC薬の購入金額を所得控除できる
- 12,000円を超えた部分に本人と扶養家族に適用
- 見分け方は識別マークとレシート
- 医療費控除と併用不可で確定申告が必要
健康な方は年間で12,000円以上も市販薬に使うことはなかなかないかもしれませんが、小さいお子さんが居たり持病をもっている方などはドラッグストアで薬を頻繁に買うことも多いかと思います。
控除できるものは活用していきましょう。