現在フリーターの今回の相談者。
どうやら将来貰える年金のことが気になっている様子。
この記事では、相談者のケースを例に付加年金についてFPが詳しく解説します。
・付加年金の概要
・付加年金の対象者
・付加年金の保険料
・付加年金の上乗せ年金額
・老齢基礎年金の繰上げ・繰下げによる付加年金の影響
・付加年金の申し込み方法
・付加年金の注意点

たまご
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
- AFP(アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー)認定者
- 資産形成コンサルタント
- 投資診断士
付加年金とは?

【相談内容】
現在フリーターです。
将来の年金が不安で、2年で元が取れるお得な年金があると聞きました。
それについて教えてください。

2年で元が取れるお得な年金について教えてください。
付加年金は、老齢基礎年金(国民年金)に上乗せして受給できる年金です。
ちなみに、公的年金は相互扶助の理念の下に成り立っていますので【得】とか【元を取る】という考え方はあまりふさわしくありません。
しかし、毎月保険料を支払っている身としてはやはり、納めた保険料が自分に対してどの様に返ってくるのか気になりますね。
付加年金の対象者

誰でも入れますか?
国民年金加入者独自の制度のため、厚生年金加入者やその扶養者は加入できません。

国民年金の人は厚生年金の部分がない分、年金が少なくなるからだね!
付加年金の保険料

付加年金の保険料はいくらですか?いくら2年で元取れても高いと払えません。
付加保険料は月400円です。
国民年金の保険料に上乗せして一緒に納付します。
付加年金はいくら貰える?

400円払っていくら年金が増えるんですか?
この付加年金額が年金を貰う間、上乗せされて受給できます。
付加年金額の例
付加保険料を10年納めた場合 | |
---|---|
支払った付加保険料 | 48,000円 |
1年間の上乗せされる年金額 | 24,000円 |
納めた保険料400円に対して半分の200円が年金額として上乗せされますので、納めた期間関係なく2年間年金を受け取った時点で納めた保険料は回収できたことになります。
老齢基礎年金の繰上げ繰下げによる付加年金の影響

年金って貰うのを早めたり遅くしたりできますよね?付加年金はどうなりますか?
老齢年金(国民年金)の繰上げ、繰下げというのは任意で年金を受け取る時期を早めたり遅くしたりできます。
その代わり早めれば(繰下げ)0.4%減額され、遅くすれば(繰上げ)0.7%増額されます。
それに連動し付加年金額も増減します。
付加年金の申し込みはどこでできる?

400円なら加入したいですね。付加年金はどこで申し込めますか?
付加年金の申し込み方法 | |
---|---|
直接申し込み | 市町村役場にて申し込み手続き可能 |
電子申請 | マイナポータルアプリにて申し込み手続き可能 |
直接申し込みの場合は、年金手帳や身分証明書が必要になりますので持参しましょう。

最近はマイナポータルアプリで手続きできる種類が増えてきたね!
付加年金の注意点

付加年金で気を付けることは何かありますか?
- 国民年金基金加入者は加入できない
- 遡って加入できない
- 付加保険料のみの納付はできない
国民年金基金加入者は加入できない
付加保険料は国民年金基金と重複加入ができません。
国民年金基金も国民年金加入者独自の制度ですが、付加年金に比べより本格的な年金の上乗せ制度です。
自分の目的にあった方を選ぶ必要があります。
遡って加入できない
付加年金は納付期限を過ぎてしまった場合でも2年間は納めることができますが、厚生年金や扶養者から国民年金に変わった場合に過去の分を遡って加入することはできません。
付加保険料のみの納付はできない
国民年金保険料を納めていない月は、付加保険料だけ納めるといったことはできません。
あくまで国民年金の保険料に上乗せして一緒に納付することが前提です。
まとめ
この記事では、相談者のケースを例に付加年金についてFPが詳しく説明してきました。
- 付加年金は国民年金加入者独自の制度
- 保険料は月額400円
- 年金上乗せ額は200円×納付月数
- 納付期間に関わらず2年で保険料の元が取れる
- 申し込みは直接orネットで可能
- 国民年金基金との併用、遡って加入、付加保険料のみの納付は不可
金額が小さいので金額効果は決して大きくないかもしれませんが、例え小さいことでも今自分ができることをコツコツ積み上げていくことが大切です。