住宅購入は人生の中で大きなライフイベントの一つであり、最も高額な買い物でもあります。
そのうえ、どこでローンを組むか、幾らのローンを組むのか、返済方法はどんれにするのか、など様々な選択をしていかなければなりません。
大事なイベントなので自分に合った正しい選択をしたいですよね。
この記事では、その選択肢の中で恐らくもっとも重要ともいえる金利の選択についてFPが詳しく解説します。
・住宅ローンの金利の種類と特徴
・各金利のメリット・デメリット比較
・自分に合った金利タイプ
・住宅ローンの借り換え方

たまご
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
- AFP(アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー)認定者
- 資産形成コンサルタント
- 投資診断士
3つの金利の種類
同じ借入額でも金利の種類の選択と金利の動向により最終的な総返済額が変わってきます。
金利のこの先の動向は予測できない中での選択になるので、悩ましいところでありつつも重要な選択となります。
金利の種類は3つあります。
金利タイプ | 金利の種類 |
---|---|
固定金利 | 全期間固定金利型 |
変動金利 | 変動金利型 |
固定金利期間選択型 |
固定金利にするのか、変動金利にするのか、変動金利の場合はさらにどちらにするのか決めなければなりません。
全期間固定金利型

借入時の金利が返済終了まで全期間にわたり一定です。
現在最も金利が高いです。
- 金利上昇の影響を受けない
- 家計管理がしやすい
メリット①金利上昇の影響を受けない
将来の金利上昇を心配する必要が全くないのは、全期間固定金利型の最大のメリットです。
この安心感は他の金利型では得られません。
メリット②家計管理がしやすい
金利が一定なことにより総返済額が確定していますので家計管理がしやすいです。
ライフイベントに変化があった時も返済額に変化はないので見通しが立てやすいです。
デメリット①変動金利より金利が高い
金利上昇の影響を受けずに済む安心感と引き換えに、金利が高めに設定されています。
全期間固定金利型の最大のデメリットでもあります。
2025年6月現在では変動金利に比べ約1.2%ほど高く設定されています。
金利が高いということは総返済額が多くなることを意味し、変動金利型に比べ総返済額約910万円、毎月返済額は約2.2万円多くなる計算になります。
全期間固定金利型がお勧めな人

返済額が増えてもいいので全期間固定金利型特有の安心感が欲しい方や、出産やお子さんの進学などライフイベントの変化時にも金銭面で安心したい方にお勧めです。

住宅ローンは長い付き合いになるから決して無視できないポイントだね!
変動金利型


市場金利の変動に伴い半年ごとに次の半年の適用金利を決定します。
ただし、一般的に多くの銀行では半年ごとに返済額が変わるわけではなく5年ごとに返済額が見直され、見直された返済額は従来の125%以内に収めるというルールを設けています。
現在最も金利が低いです。
- 金利が安い
- 総返済額が安く済む可能性がある
メリット①金利が安い
全期間固定金利型の説明でも述べましたが、2025年6月現在では全期間固定金利に比べ約1.2%ほど安く設定されています。
変動金利型の最大のメリットでもあり、金利が安いということは総返済額が少なく済むことを意味します。
メリット②総返済額が安く済む可能性がある
金利が下降したり最終的に全期間固定金利型の金利を上回らなかった場合、総返済額が一番安く済む可能性があります。
デメリット①金利上昇影響を直に受ける
変動金利の最大のデメリットは金利上昇を直に受ける点です。
返済額が増えるのはもちろんのこと、元利均等返済の場合金利の上昇具合によっては5年ごとの返済額の見直しと1.25倍以内に収めるというルールが設けてあるにも関わらず利息が返済額を上回る状態に陥り未払利息が発生する可能性があります。
未払利息が発生すると、ローンの残高は減らず未払利息は発生し続けるという状態になります。
これは非常にデリケートな問題なので慎重に判断する必要があります。



元利均等返済に関しては下記の記事で詳しく説明しているよ!


デメリット②総返済額が確定していない
金利変動と半年毎の金利の見直しによって、返済額が変動するため最終的な総返済額いくらになるか分かりません。
変動金利型がお勧めな人


多数の人は変動金利型か全期間固定金利型で悩まれると思いますので、金利が当初より上昇するのは仕方がないとしても全期間固定金利型より金利は最終的に安く済むと考えている方や、当初から繰上返済を検討されていたり金利上昇の際に繰上返済や金銭面でカバー出来る、借り換えを検討できるなど金利上昇に対して対応策が取れる方にお勧めです。



金利上昇のデメリットを如何に回避緩和できるかがポイントだね!
固定金利期間選択型


固定金利期間選択型は2年~15年などの期間から一定の期間の金利が固定されるのが特徴です。
固定する金利の期間が短いほど固定期間中の金利は安くなります。
また、固定期間終了後は再度固定金利期間選択型や変動金利型を選ぶことも出来ます。
- リスクを軽減できる
メリット①リスクを軽減できる
全期間固定金利型と変動金利型のそれぞれのメリットを享受できます。
変動金利の低金利の期間があり、固定期間中は金利上昇による影響を受けません。
デメリット①固定期間終了後の不安
固定期間終了後は金利タイプを選び直しますが、その時点での金利で返済額が再計算されます。
実際、固定期間中は金利上昇の影響は受けませんが上昇していた場合、固定期間終了後に上昇した金利と直面することになります。
デメリット②5年125%ルールがない
変動金利には5年125%ルールがありました。
固定期間が終了し変動金利を選択すれば5年125%ルールは適用されますが、固定期間中に125%を超える支払額になる程金利が上昇していた場合でも固定期間終了後はその金利が適用され返済額に反映されることになります。
デメリット③総返済額が確定していない
金利タイプを都度選択していく為最終的な総返済額いくらになるか分かりません。
固定金利期間選択型がお勧めな人


固定金利期間選択型は将来を予測できない中、変動金利や全期間固定金利型を決めるのではなくその都度状況に応じたベストな選択をしていきたい方や、共働きだが現在妊娠中・育児休暇中などで一定期間働けないなどの諸事情がありその期間だけは安定させたい方にお勧めです。



使い方によっては一番最適な選択になるのかもしれないね!
ローンの借り換えについて
記事を読まれている人の中にはもしかしたら既に住宅ローンを組まれている方も居るかもしれませんね。
今回の記事を読んで、次の様な人はローンの借り換えを検討するのも視野に入れた方がいいかもしれません。
- 金利タイプを変更したい
- 正直今の返済がキツイ
ローンの借り換えはローンを組み直すため、手数料などのコストはかかります。
しかし、コストよりもメリットが上回る場合は検討すべきでしょう。
借り換えの費用対効果は可視化が難しいため無料の一括比較サービスなどを利用し、コストを払ってでも借り換えた方が得なのか、今のままの方が得なのかを判断する必要があります。
まとめ
この記事では住宅ローンの金利の種類につて説明してきました。
- 全期間固定金利型は金利が固定だが金利が高め
- 変動金利型は金利市場に沿って金利が変動するが金利は安め
- 固定金利期間選択型は変動金利だが固定金利の期間を任意に選べる
- 住宅ローンの借り換えを検討するなら一括比較ービスを活用
金利は3種類ありましたがそれぞれに特徴があり一長一短です。
これが1番お得というものはなく、どれが1番自分のライフプランに適しているかを基準に選ぶことが重要です。